2024/04/29 00:34
店頭には、たくさんのお花が当たり前のように並んでいますが、この『当たり前のように並ぶ花たち』って実は、大変な努力、技術が集結した結果なんです。
昨年、ハルグリンでは、オリジナルのペチュニアさんやカリブラコアさんを初めてたくさん育てました。
恐ろしいことに、ウイルスが発生してほとんど枯れてしまうと言う経験をしました。
農家にとって、生産したものがほとんど送り出せないことは、死活問題です。
それに、長い間育てた苗たちが枯れてしまう悲しさは、とてつもないものでした。
毎日、不調になるコが増え不安ばかりでした。
結果的に、無事出荷できた苗は、ほんのわずか。
当たり前に生産して出荷することの大変さを、痛感しました。
ほとんど出荷できなかったカリブラコアさんたちを目の前にしている時に、とても悲しい出来事が起こりました。
私の姪っ子が、お空に行ってしまいました。
産後すぐに、肺に異常が見られ東大病院に入院して日本で初めての手術を、何度も乗り越えてきました。今度の手術がうまくいけば、きっと会えると願っていた矢先の出来事です。
家族みんなが、悲しみの渦に飲み込まれていきました。
それでも、今年のための育種を続けテストで育てたカリブラコアさんは、順調に成長してくれました。
とても暑く長い夏。
遮光カーテンをしていないハウスの中は、50度を超える高温。
それでも、しっかりと咲き誇るカリブラコアさんたちを見て、力強い生命力を感じずにはいられませんでした。
その中でも、柔らかな白に優しく彩る紫色の花色のカリブラコアさんに、私のかわいい姪っ子の名前を付けさせてもらうことが出来ました。
姪っ子の家族みんな、悲しみの渦にいたけれど喜んでくれました。悲しみの涙が、希望の涙になったように感じました。
カリブラコアさんは、ペチュニアさんから品種改良されたお花です。
ペチュニアさんよりもお花は、小さいですが雨にも負けず、夏の暑さにも負けない丈夫なコ。
そして、初夏から立冬まで。上手に冬越しができれば何年でも咲いてくれる、とても生命力に溢れたお花です。
小さなお花だけど、たくさん咲いて長く側で私たちを癒してくれます。
ハルグリンのオリジナルカリブラコアは、『ミニョン』シリーズです。
ミニョンは、フランス語で『愛らしい』です。
6カラーの中で、ホワイトベースで淡い紫色が入るコが『ジュン』と言います。
私のかわいい姪っ子から、頂いた名前です。
ジュンがミニョンシリーズの中で、1番のんびり家です。
カラーそれぞれで、成長の仕方もちがいます。
みんなちがって、みんながすてき。
たくさんの方の元へ届いて
そっと寄り添い
たくさんの笑顔になれたら
嬉しいです。